English | Deutsch | Español | Français | Polski | Русский | Italiano | Tagalog
公共の場におけるムスリムのスカーフ(またはヴェール)を非合法化しようと試みるフランスやトルコなどの世俗国家のメディアにより、この問題は特にセンセーショナルな扱いを受けて来ました。ここではこの問題についての詳細には触れませんが、前述されてきた知見と後述される付加的な情報によって、イスラームの啓典で義務付けられている慎ましい衣服、そして女性美や装飾などに対する覆いが、女性にとっての名誉と保護のためであるのかどうかを、読者の皆様方自身に判断して頂こうと思います。
アッラー(U)は仰せられています:
(預言者よ、汝の妻、娘たち、また信仰者の女たちにも、彼女らに長衣を纒うよう告げるのだ。それで彼女らは認められ易く、悩まされずに済むであろう。アッラーは寛容にして慈悲遍く御方である。) [33:59]
この節では、女性が自身を覆う義務の理由として、彼女が敬意に値するムスリム女性であることを確立させ、そのように認識されることによって男性の煩わしい凝視を回避するということがあると明確に述べられています。周知の事実として、挑発的な衣服は一部の男性が望ましくない行動を起こすことを促し、女性が性的嫌がらせに晒されることへとつながります。これは一部社会において奨励され、宣伝すらされていることかも知れませんが、信仰深く敬意に値するムスリムたちの間においてはその限りではありません。
過度な誘惑から女性を守るためには、イスラーム法で説明されるあらゆる保護策が取られるべきです。それらの一部にはゆったりとした外衣、そしてクルアーンとスンナに基づいた頭部の覆いといった女性の服装、も含まれます。
アッラー(U)はこのようにも仰せられています:
(そして信仰者の女たちに言ってやるがいい。彼女らの視線を低くし、貞節を守れ。外に表われるものの他は、彼女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェールをその胸の上に垂れよ。自分の夫または父の他は、彼女の美(や飾り)を表わしてはならない。なお夫の父、自分の息子、夫の息子、また自分の兄弟、兄弟の息子、姉妹の息子または自分の女たち、自分の右手に持つ奴隷、また性欲を持たない従者の男、または女の体に意識をもたない幼児(の他は)。また彼女らは隠れた装飾品を知らせるため、その足(で地)を踏み鳴らしてはならない。汝ら信仰者たちよ、皆一緒に悔悟してアッラーに返れ。必ず汝らは成功するであろう。) [24:31]
この節では、前述の“マハラム”に分類される男性の詳細、そして謙虚に視線を下げることが異性間に発生する自然な誘惑や相互の魅了に対する最善の自己防衛であることが記述されています。
またアッラー(U)は、イスラーム以前の時代の女性が見せていた挑発的な態度に関して言及され、信仰者に対し適切な態度を保ち、悔悟するよう喚起されています。
(そして汝らの家に静かにして、以前の無知時代のように、目立つ飾りをしてはならない。礼拝の務めを守り、定めの施しをなし、アッラーと使徒に従順であれ。(預言者の)家の者たちよ、アッラーは汝らから不浄を払い、汝らが清浄であることを望まれる。また汝らの家で読誦される、アッラーの徴と英知(預言者のスンナ)を銘記せよ。アッラーこそは温厚篤実にして全知であられる。本当にムスリムの男と女、信仰する男と女、献身的な男と女、正直な男と女、堅忍な男と女、謙虚な男と女、施しをする男と女、斎戒(断食)する男と女、貞節な男と女、アッラーを多く唱念する男と女、これらの者のために、アッラーは罪を赦し、偉大な報奨(天国)を準備なされる。信仰する男も女も、アッラーとその使徒が、何かを決められた時、自分勝手に選択すべきではない。アッラーとその使徒に背く者は、明らかに迷って(道を)逸れた者である。) [33:33-6]
イスラーム的な規制は、慎ましい衣服と態度に関して他の多くの文化と類似する部分もありますが、それでもムスリム独自の貞節さ、誠実さ、そして高潔な倫理観などにおける極めて高い基準は際立っています。イスラームは未婚男女が不必要な混合をすることによりぎこちない状況を生み出し、誘惑に駆られることから個人と社会を予防するのです。アッラーの使徒(r)は真性なる伝承においてこう語られています:
“実に、全ての宗教にはそれぞれの特徴があり、イスラームの特徴はハヤー(謙虚さ、謙遜、羞恥心)なのである。” [イブン・マージャ 4172番]