» ホームページ » 婚姻契約にお

婚姻契約にお

イスラーム法学においては、婚姻関係を有効とする条件の一つに、当該女性の完全な同意が求められます。

預言者()はこのように言われています:

“‘アイイム’(離婚した女性、または未亡人)は、結婚の申し込みがあり、彼女の合意がない限り結婚されてはならない。そして処女は、彼女との協議のない限り結婚されてはならない。”

ある者が質問しました: “アッラーの使徒よ、彼女の許可とはどのようなものでしょうか?”

彼は答えました:“沈黙である。” [ブハーリー 4843番、ムスリム 1419番]

もし女性が望みもしない結婚を強要されたのであれば、彼女はムスリム裁判官へ訴えてその結婚の取り消しを求める権利があります。アッラーの使徒()のもとに、アル=ハンサー・ビント・ハダムという過去に結婚していたことのある女性が訪れ、彼女の父親が彼女の嫌う男性との結婚を強制したことを訴えに来ました。彼はそれを不認可し、無効としました。

またもう一つの条件として、彼女は自分の後見人を抜きに誰かと結婚してはならないというものがあります。彼女の父親、または彼が存命していない場合は彼女の祖父、父方の叔父、兄弟、更には成人した息子、あるいは国家の長などが彼女の後見人として、彼女の権利が守られることを保障し、彼女と共に婚姻契約に署名しなければなりません。彼の役割は、新郎が節操のある誠実な者であり、彼女による適切な結婚の際の贈与財の受け取り、そして彼女の認める二名の証人によって証言がされるのを確認することです。これらの全ては、女性側の権利、そして婚姻における尊厳の保護を目的とします。

アッラーの使徒()は次のように述べて、このことを明確にされています:

“後見人なくして結婚は成立しないのである。” [アブー・ダーウード 2058番、ティルミズィー 1101番]

また別の伝承ではこのように述べられています:

“後見人なくして結婚は成立しない。そして後見人のない者には、統治者が後見人の役割を果たすのだ。” [アハマド 2260番、イブン・マージャ 1889番]

それゆえ、もし女性が駆け落ちし、自分たちだけで結婚したのであれば、それは預言者()が言明されているように、非合法であると見なされます。

“いかなる女性であれ、後見人の同意なくして結婚したのであれば、彼女の結婚は無効である。そして彼女の結婚は無効である。そして彼女の結婚は無効である。そしてもし男性が彼女と床入りしたのであれば、彼は彼女の恥部を自らに合法としたことによって、彼女は彼から結婚の際の贈与財を受け取らなければならない。そして彼らが論争になれば、統治者が後見人のない者にとっての後見人となる。” [アブー・ダーウード、2083番、ティルミズィー 1102番]

娘としての権利において既述したように、初婚者であるかどうかに関わらず、女性には結婚の申し出を自分の自由意志によって受け入れるか断るかを選択する権利があります。後見人制度は、女性側の利益を守るためだけに存在しているのです。場合によってはイスラーム国家の統治者、または総督が彼女の合法的な後見人となり、彼女にとっての秩序となり、また犯罪的行為が存在しないかどうかを確認するという事実は、婚姻契約の神聖さ、そして女性のイスラームにおける権利という尊厳をより強固にするものです。

女性は先天的にかよわい存在であるため、イスラーム法は彼女の利益と福祉を保護し、彼女の権利を保持させる原則と法を定めています。彼女の両親と親族は必要ならば、彼女にとって最善かつ相応しい人物の選択を手助けすることが出来ます。なぜなら彼らは皆彼女の幸せを願い、彼女が結婚における失敗の被害者となることを望まないからです。結婚の目的とは男女の永続的関係を築くことであり、子供にとっての愛情に満ちた有益な家庭の構築でもあり、特定の欲求を満たすためだけのものではありません。一般的に、女性は男性よりも感情的になり易く、深層の実在よりも外観などに影響や誘惑を受けやすい傾向にあるものです。それゆえイスラーム法は、後見人が求婚者の男性が誠実でなく、女性にとって相応しい者でないと見なせば、彼の申し出を拒否し、却下する権利を認めているのです。この場合、男性による後見人の役割は、権力と責任を併せ持つ男性の性質上、ごく自然なものです。更に、男性は他の男性の価値を同性として、特定の範囲でより理解出来るということも否定出来ないでしょうし、自分の娘または彼の庇護下にある女性にとって何が適しているのかを見極めることも出来ます。もちろん、彼は新郎を決定する過程において、妻や女性側との協議を欠かしてはなりません。もし適切な男性が結婚を申し出て来て、後見人が正当な理由もなしにそれを拒否したのであれば、イスラーム法廷において後見人の資格に関する正当性に関して訴えることが出来ます。後見人の資格は女性に最も近親である成人男性親族に与えられるか、もしくは女性に成人した男性親族がいない場合、ムスリム裁判官が後見人を引き受けることになります。

最終的な検証として預言者()は、結婚に相応しい人物を測る真の基準についてこう述べられています:

“もしもある人物があなたに結婚を申し込み、彼の宗教観と人格に満足したのであれば、彼と結婚しなさい。そうしなければ地上に大いなる災難が降りかかり、頽廃が蔓延るでしょう。” [ティルミズィー 1085番]

自身のイスラーム的責任に健全な理解を持ち、良き道徳的価値観を持つ人物は、彼の妻に名誉を与え、敬意を示し、たとえ彼女を強く愛さなかったとしても公正な待遇をすることでしょう。